(Original Written at 2022/11/19, Rewritten at 2024/12/27)
プロジェクトD最終決戦。舞台は湯河原椿ライン。ホームとするのが「サイドワインダー」で、実質のリーダーにしてチーフドライバーの北条豪。彼が駆るのが当時日本最強のNA、MRのホンダ・NA1 NSXであった。
右・インターアライド『MODELER’S』 マツダ・FD3S RX-7 高橋啓介決戦仕様 コンペティションイエローマイカwithカーボンボンネット
左・京商 ホンダ・NA1 NSX 北条豪搭乗車プロト フォーミュラレッド
高橋啓介の「頭文字D」での最後の戦い。
啓介のFDがフロントミッドシップの傑作と呼ばれれば、豪のNSXは日本最高のミッドシップである。
1本目。先行は北条NSX。
バトル前、メカニックの久保より「15秒のアドバンテージ得られれば勝ち」と言われていたが、そこに実兄・凛が現れる。兄・凛は豪に自らの多々の暴挙を詫びるとともに
「今まで培ってきた、持てるものをすべてぶつけろ。そして……楽しめ。」
と告げる。このことは一瞬豪もわからなかった。
豪「兄貴は『楽しめ』と言っていたが、何なんだ…まあいい、俺は俺の走りをするまでだ!」
啓介側から。
一方で啓介もまた兄・涼介より同じく
「これまで培ってきたすべてをぶつけるんだ。」
と、ほぼ同じことを言われていた。
啓介「タイヤいたわれねぇけど……頼むぜ、FD!!」

しっかりと食らいつく啓介FD。
なんと豪は引き離せない。
豪「どうなっているんだ…全開スピードにいたときは、乗れていたのに…なぜ離れない…!?」
豪「なぜ、そこにいる!!」
それだけではない。サイドワインダー一同が各地点で区間タイムを計測すると、とんでもないレコードをたたき出していた。
久保「何やと!!あり得へんで…!!」
そして啓介先行・豪後行の2本目。
啓介は流していても恐るべき速さに達していたのである。
これには後追いしながら見る豪も、
豪「それにしてもなんとまぁ…気持ちよさそうに走るクルマだ!」
これにシンクロしたのか、豪も全開で走り出す。久保の指示を超えた走りを。
豪「この俺が引き込まれる…!」
ここでバトル前に実兄・凛から告げられたことを思い出す豪。「楽しめ」という意味がここにきてようやく理解したのである。
豪「この男(啓介)が俺の上を行くというなら…スピードとテクニックを追求する者として、未知の何かに出会えるならば…しびれるほどラッキーなチャンスかもな…!」
未体験ゾーンに入る…!
豪「やめられない……こんな楽しいことやめられっかよ!!」
しかし、そのゾーンはあっけなくも終わる時が訪れる。
リアタイヤが…
啓介追走中にオーバーステア・アンダーステア両方も起こしていたが、NA1のリアタイヤが悲鳴を挙げていた。
そしてスピン。
戦いは超絶タイムをたたき出しての決着だった。
久保「これで負けたんならしゃあない……。」
と、呟かせるほどで、豪もまた悔いはない表情だった。