御殿場長尾峠。カイの敗戦を目のあたりにした「レーシングチームカタギリ・ストリートver.」の上り担当かつ実質リーダーの皆川英雄は、相手となる高橋啓介に対し一段と気合を入れる。
「お前、速いんだってな。4WD相手に連勝中だそうだが、俺から逃げられたら大したものだ。見せてもらおうか……自慢のスプリントを!」
戦う前に啓介に一言そう言い、スタートは切られた。
右手前・フジミ模型 マツダ・FD3S RX-7 高橋啓介仕様後期型 コンペティションイエローマイカ
左奥・インターアライド「MODELER’S」 トヨタ・JZA80 スープラRZ 皆川英雄仕様 スーパーホワイトⅡ
皆川は後追いを選んだ。レースで培ったタイヤマネージメントを武器に、(アマチュアと思っていた)啓介を先に行かせて突っつき、タイヤの消耗を誘う算段だった。
皆川サイドから。
だが、それを見越していたのか、あるいは涼介もこの勝負をいずれ挑まれると踏んだのか、神奈川遠征直前、啓介は涼介より「タイムを揃えて走れ」という妙な課題を出され、それをこなしていた。
…これが実は、タイヤマネージメントの特訓であった。
この課題をもとにした走り込みの成果がこのバトルに活きたのである。
啓介「それでも差は詰まっている……嫌な相手だ……!」
このバトルを見届けていた「サイドワインダー」のメカニック・久保も皆川駆るスープラは、元々グランドツーリング目的のクルマかつボディがFDよりも重く、この峠道では不利なことを明言していた。事実、啓介がタイヤを酷使させずにハイペースで進むのに焦った皆川はそれでも負けじと追走する。それも自分にはリスク大となる全開での走りをしながら。
テールトゥノーズまで迫る!
が、ゴールライン手前でタイヤが完全に消耗してしまい、
実質リタイアとなってしまった。
それでも啓介をして
「やっぱりプロはすげえな。」
と言わしめたほどであり、実際のところは啓介・皆川の駆け引きによる戦いだった。